第44回 神戸ファッションコンテスト2017

パリからの留学レポート【2013年度受賞 大久保さん】

KFC2013で受賞し、今年の6月からフランスのサンディカ校(クチュール組合学校)へ留学している大久保美彩さんから留学生レポートをいただきました!サンディカからの夏休みの宿題や語学学校の雰囲気など、詳しく教えていただきました。

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サンディカ留学の大久保です。パリに来て1ヶ月半くらい経ちました。日本人のご夫婦が大家さんのお家で、3人のコロカテール(皆日本人で学生)と共に生活しています。

こちらに来て思った事を書きます。

留学して良かった事、

日本にいると、ヨーロッパやアメリカで起こる出来事はどうしても肌で感じられないので、どんなことがあっても自分の世界の外の話のようにしか感じられませんでした。ですがパリに来て、世界の中心(ヨーロッパやアメリカ)を近くに感じることができ、世界の中で生きていくためには?ということを実感として考えられるようになりました。自分が日本で心地よく生きていくことを想像した場合のデザイナーとしてのあり方と、こちらで想像した理想のデザイナーとしてのあり方はかなり違います。何を選択するにせよ、自分で納得して生きていくために他の国に住むことはとても大事だと思いました。

パリ、サンディカで良かった事、

正直今時パリに留学ってどうなんだろうとも思っていましたが、自分には合っていたように思います。フランスは個人主義で、結構マイペースに、自分のこだわりを持って生活している人が多い。でも、世界的にいろんなものや人が集まってくるところなので、世界との接点もある。歴史も大事にしているので、日本人が学ぶところは多いです。学校から先日送られてきた夏休みの宿題は、女性の体が解放された1910-30年代の歴史とデザイナーを調べてオリジナルに落とし込むような内容などでした。ちなみに去年はこの宿題はなかったそうです。

まだ学校には行っていないので理解は浅いですが、設備などはあまり整っていないようです。そして、クチュール的な授業はほとんどないそうです。ですが名前が知られている学校なので、スタージュの受け入れの可能性は高いそうです。

言葉について。

パリにある語学学校の中で良いとされる学校が3つあり、その中のひとつが、私の通うアリアンスフランセーズパリです。授業料も少し高めなので、わりと豊かそうな人たちが多いです。理解能力も結構高い人たちが多いです。クラスは15人くらいで、中国、ブラジル、エジプト、タイ、シリア、アメリカなど様々な国からほとんどが語学留学で来ています。そして、英語圏でないほとんどの人たちが英語を共通語として話せます。日本では英語を話せる事は特技になりますが、日本の外に出ると英語は必須です。日本でずっと生きていくと決めている人は日本語だけでいいかもしれませんが、自分がもし生まれた土地以外で生活したいと思ったときに生活拠点を自分で選べる。それが言葉の力だと思いました。フランスに住みたい方はフランス語ですが、フランス語は結構難しいです。英語はそれに比べるとかなり簡単なので習得されることをお薦めします。

フランスに来たい方は、日本で日仏かアテネに通われる事をお薦めします。多分、まっさらな状態でこちらに来るとかなり理解に努力が必要です。日本にいる間に、日本語でフランス語の文法と単語を少しでも多くやっておいた方が良いです。

日本との違い

日本の中流階級社会に比べて、フランスは移民も多いし貧しい人は貧しい。貴族は未だに貴族という肩書きを持っています。路上で生活する家族や物乞いの人たちもいます。車が路上で壊れて後から押している人たち、自分のつまみ食いを優先させるカフェ店員の愛嬌あるムッシュー、完璧でない様々なできごと。なにしろ皆生きてるんだなぁと実感することが多いです。むしろ日本の方が特殊で、きれいで歪みのない建築や、リカちゃん人形みたいな女の子達、プラスチックやモルタルで覆われた日本の情景は生きてる事も忘れてしまいがちです。こっちは建物も学校のプリントも歪んでるし、街はエイジングされているし(臭いし)、歳をとった女性のおしゃれがカラフルで美しい。そしてさすがガストロノミーの国フランス、食べ物がおいしい(高いけど)。綺麗に言うと、感情と感覚を大切に毎日を楽しんで生きています。そんな中、日本人は翻弄されたり、より大事な事に気付いたりするんだと思います。

まだ1ヶ月半くらいしかいないので、こんなところです。

この留学プログラムは結果的にかなりの出費を伴いますが、自分一人で行動を起こすよりはいろいろといい条件で留学できます。名前を呼ばれる瞬間まで将来が未確定で精神的に大変だと思いますが、ひとつの良いきっかけとして取り組まれると良いと思います。

自分たちの良いと信じる洋服とヴィジョンを作って、新たなタレントとして発掘されてください。

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入選者の皆様に向けて、とても有意義な情報とアツいメッセージをありがとうございます。現地のリアルな現状をレポートいただき、より留学生活を具体的に想像できたのではないでしょうか。
大久保さんが書いてくださっていましたが、どこの国へ留学する場合でも、語学ができるに越したことはありません。特に英語は母国語以外で話せる人口が多いので、いざというときの切り札として持っておくと、色々な場面で自分を助けてくれると思います。コミュニケーションができなければ、必然的にコミュニティーから離れていってしまいます。留学生活をより豊かで実りあるものにするためにも、語学の勉強はできる限りやっておくことをオススメします。最終審査会に向け制作に取り組んでおられる入選者の皆様は、毎日とてもお忙しくされているとは存じますが、一日10分、語学勉強に時間を取るだけでも、半年後にはかなり実力がついたことを実感できると思います。

KFC2014 入選者説明会開催


KFC2014の入選者説明会を下記の日程で開催しました。

神戸 8月5日(火)14時から 神戸ファッション美術館
東京 8月8日(金)14時から 東京都立産業貿易センター 浜松町館

参加者の皆様、暑い中ご足労いただきましてありがとうございました。
これから最終審査会に向けて制作を進められる中で、ご不明点等ございましたらお気軽にご連絡ください。

ミラノからの留学レポート【2013年度受賞 陳さん】

KFC2013で受賞し、今年の6月からイタリアのドムス校へ留学している陳碧泓さんから留学生レポートをいただきました!シェアハウスや語学学校、日常生活の中で気づいた日本との違いなど、興味深い情報をいただきました。

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ミラノに来て1ヶ月が経ちました。今年の夏はいつもより涼しくて過ごしやすいです。現在コーディネーターさんから紹介していただいたオペラの老婦人の部屋を借りて、大阪の留学生とシェアーハウスしています。来た初日からもちろんイタリア語での会話に戸惑いばかりでしたが、先輩とシェアーメイトがいたから、無事に過ごしています。

7月1日から街の中心にあるIl centro という語学学校に通い始め、イタリアの生活を開始しました。午前9時から午後1時までは共同授業で、週3回午後一時間の1対1特別授業も受けています。語学学校はヨーロッパ圏の生徒が多いため、授業がどんどん進んでいます。1日の内容を全部理解できたら、だいたい夜10時でした。イタリア語の発音は決して難しい訳ではないのですが、流暢に早く喋ることができるようになるのは時間の問題だと思っています。外国に出たら言葉や生活などのスタートはもちろん難しいですが、こんな段階があってこそ成長できます。いまイタリア人と交流する時、数えるぐらいの単語と得意ではない英語、そして笑顔で楽しんでいます。

生活のほうは先輩からアドバイスをたくさんいただいているので、順調にやっていますけれど、日本の便利さと比べるとちょっと驚きます。逆に、どうやったらうまくいけるのか頭をよく使う事は自分に対していいかもしれません。たとえば、平日でも昼休みがあって、だいたい午後1時から3時です。みんなゆっくり昼ご飯を食べて、友達とおしゃべりしてから午後の仕事を続けます。土、日曜日は店も休みの所が多いで、スーパーマーケットも平日より早く閉めます。人間は平等だから、休みの時もみんな一緒だという考えです。そして、イタリアに来て一週間以内に、郵便局へ外国人登録申請を出す必要があります。日本では1週間で貰える在留カードがこっちだと数ヶ月も貰えない場合があります。しかも、役所や警察署などは午前中しか手続きを受け取らないので、時間をよく見て行った方がスムーズにできると思います。あるいは焦らないイタリア人みたいな生活態度になったほうが楽かもしれないです。

7月から8月にかけて、セールとバカンスの時期です。7月から1ヶ月ブランド品から小物まで50%〜70%のセールをやっています。私はこの流れに乗っていないですが、市場調査にちょっと行ってきました。ミラノの老若男女を問わず、ファッションに対する熱情がより高く感じます。特に、色使いは毎日の生活と共に溶け込んでいます。8月になると、ミラノ人は旅に出ています。観光地以外店がほとんどやっていなくて、みんなは3週間から1ヶ月の休みを取っています。語学学校に通っている私はこんな長旅に出れないけど、8月15日(聖母の被昇天)から3連休でヴェネツィアに訪ねて行く予定です。仕事と休憩のバランスをうまく取るのはイタリア人として人生最も大切な事です。

最後に、この歴史、美術、建築、文化を融合している街についてもっと紹介したいですが、人によって感じた事は違うので、言葉だけで説明できない感じがします。日本にいた時、毎日忙しかったしか思い出せません。こっちに来て、もちろんやる事がいっぱいあるのだけど、心が落ち着けます。朝から光で目を覚まして、カプチーノから新しい1日を迎え、後悔なく過ごして行く。。日本で留学してからミラノに移る事になった私は毎日を感謝しながらこれからも頑張りたいと思っています。

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日本とは異なる環境で新しい生活をスタートされ、慣れないこともきっとたくさんあると思いますが、両国の違いを認めたうえで前向きにがんばっていらっしゃる様子が伝わってきました。
切手のように加工していただいたお写真、とっても素敵です!


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