第45回 神戸ファッションコンテスト2018

ノッティンガムからの留学レポート【2013年度受賞 戸川さん】

先日レポートをあげさせていただいた佐藤さんと一緒にGraduate Fashion Weekでコレクションを発表された戸川大地さんからもレポートが届きました!戸川さんもKFC2013で受賞し、イギリスのノッティンガム校へ留学されています。今回のコレクションの様子,学校生活、普段の生活、さらに42回コンテストに応募する方達に向けてのメッセージもいただきました。

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Nottingham Trent University に留学中の戸川です。ここノッティンガムに来てから早くも五ヶ月が過ぎ、先日ロンドンで行われた卒コレイベント、Graduate Fashion Weekも終わり、ようやく落ち着いたので、その時の様子や、学校生活の様子、普段の生活の事を含め、レポートを送りたいと思います。

Graduate Fashion Weekとは毎年6月にロンドンで行われる世界最大のファッション卒業生イベントで、毎年イギリス中の40以上の学校が参加し、学校を卒業した優秀な卒業生のコレクションを発表する場で、期間中それぞれの学校がショーを披露します。有名メディア、タレントスカウトを含む多くの来場者が訪れるそうです。私と神戸の相方、佐藤さんも、ノッティンガムから選抜され、コレクションを発表しました。

ノッティンガムで制作したコレクションは、「ruins sanctuary」といテーマで、神聖な廃墟に足を踏み入れた少女を舞台に、テーマに沿った一つのストーリーを立てていきながら制作しました。ジャケットやコートなどのアイテムで、ペールカラーと丸みのある形、スポーティでカジュアルな雰囲気に、実際に廃墟に行った時、私が目にした物を写真に記録し、撮影した写真をコラージュしたりして、テキスタイルやディテールとして服に落とし込みました。服の形をしながらも、人々が普段着ている一般的な服とはどこか違った形を見せる、というのが目標でした。制作していくうちにだんだん分からなくなってきたり、作り込み過ぎて抜け感がなかったり、反省点が沢山残ったコレクションでしたが、こんなコレクションでも、実際に着てみたいと言ってくれた方や欲しいと言ってくれた方、GFWのレセプションの時、気に入ってくれた企業の方々からインターンの誘いがあったりして、見ていてくれるがいるんだなと、嬉しく思いました。

私が入ったBAファッションデザインコースでは、自分で学習計画を立て、自分でプロセスを管理していくことを求められます。学生自身に任される部分が多いので、自発的且つ計画的な行動が重要です。生徒は皆元気で、教室に行くと、よくお菓子パーティのような事をやっていました。皆優しい人ばかりで、私が学校に来たばかりのまだ慣れない雰囲気の時、声を掛けてくれたりしてくれた時は凄く嬉しかったです。イギリス、アイルランドなどの他に中国、台湾、韓国、日本といった様々な国の、異なるバックグラウンドを持った学生で構成されており、この多様さのなかで制作することは自分の考え方が世界の中でどのように捉えられるのか、どこまで通用するものなのかを知るひとつの目安にもなりますし、彼らと意見を交わし合えることは良い経験でした。こっちの学生が選ぶ素材、テキスタイルやグラフィックなども、日本では見られないものばかりでした。授業は自主性。一人の教授につき、一日生徒5-6人という感じで、週に1、2回、制作した仮縫いをチェックしたり、制作のアドバイスをもらったりしながら今後のプランを考えていくというものでした。教授からのアドバイスは的確な事が多く、特に仮縫いの段階の時にアドバイスされた事を取り入れていき、自分で必要ないと思ったら、無視して制作を続けていました。大切なのは積極的な姿勢を忘れないことだと思いました。自分が何か発信すると、そのぶん返ってくるものも大きいと思います。私がここにいて感じたことは、アジア各国の留学生が意欲的な作品を発表し、ヨーロッパのクリエイションを凌駕するデザインを打ち出していることです。同じクラスメイトのアジア人が作るコレクションも、素敵なものばかりで、やはり評判も良かったです。見ていて大きな刺激を貰いました。

 

イギリスでの生活では、特にギャップを感じることがなく日々を過ごしております。しいて言えば、イギリスは良くも悪くもマイペースな社会だと感じました。何かを頼むと待つのは当たり前、予約を取らないと話を取り合っていただけないこともしばしあります。ですが、郷に入れば郷に従えという気持ちで常に挑んでいるのでそういうものかなと思い日々生活しております。他にはこちらの人は皆おしゃべり好きだなと感じました。たまたまレストランで隣の席になったり、買い物のレジで並んだりするとよく話しかけられたりします。その時は、口下手ながらもできる限り会話を楽しむようにしていました。

家は学校から歩いて20分くらいのフラットで、3人のイギリス人と暮らしていました。なので英語の勉強には最適、分からない事があったらすぐに聞いたりしていました。良い人達なのですぐに仲良くなり、日曜の休みの日なんかは、皆で料理を作り、一緒にご飯を食べたりしていました。

 日本の外へ出るという決断には最初は大きなエネルギーが要りますが、今は一度出てしまえば途端に身軽になってしまうものだと実感しています。物事を考えるときに、世界というより大きな範囲で捉えられるようになったこと、日本の社会や文化の良さにも悪さにも気づくことができたことなど、この留学で得るものは服のデザインのことだけではなく、人間として成長する経験でもあり、その経験はまたデザインに還っていくことと思います。このような機会をいただいたことに感謝しています。

 

神戸ファッションコンテストに挑戦される方へ。

日本で行われるコンテストで受賞する作品は、コスチュームのようなものばかりです。私も日本で学生をしていた頃は、服ではなく、コスチュームを作っていました。決して悪い事ではないと思います。でもやはり、ファッションはコスチュームではないという事を、イギリスに来てから改めて認識しました。単に目立つような凄い物を作るだけではなく、これが着るものとして市場に出回った時に、どのような物になるか、どのような人に着せたいかイメージを固めながら制作すると、良い物が出来上がるのではないでしょうか?自分の持つ価値観や独自性を与え、見る人を感動させられるくらいの素敵な作品を作ってください。

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戸川さん。ありがとうございました。

新しく気づいたことに刺激をうけて、今後ますますのご活躍を楽しみにしています。

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